昨年の最終戦のレポートでは敢えて書かなかったが、実は2015年の最終戦の直前に、サキさんは車上荒らしによるタックル盗難の被害に遭遇していた。
愛着・思い出のあるタックル達を失い、絶望の最中、年間2位という成績で2015年を終えた。その時の最終戦での彼の言葉が、「手を抜かず、堂々と戦おう」だった。
そして2016年。前年の悔しさをバネにされたのかどうか、私ごときの思いでははかり知ることができない。「乗り越える」ことの辛さ、悲しさ、大変さに全て打ち勝って、タイトルを獲得したサキさんが、 素晴らしい参戦記を寄せてくれた。不覚にも、拙編集長はサキさんのこの文面を見て涙を流した。心の強さと、成し遂げた達成感に、皆さんも思いを馳せていただきたい。
また、サキさんの霞探R参戦に当たってのストラテジーが、ここに大公開されている(いいんですか、ホントに?)。AOYを獲るということの重みが、非常によくわかる文章となっている。 霞探Rの猛者たちは、是非とも参考にしていただきたい。

最後に、改めて、サキさん、AOY獲得おめでとうございました!!


2016参戦記

2016年カスタンRに参加された皆様、お疲れ様でした。
とりわけスタッフの皆様、一年間のご尽力ありがとうございました。
今年も楽しく全戦に参加させていただき、結果AOYというタイトルまで頂戴しました。
最終戦の各所で、そして昨年の盗難事件に際して激励して下さった多くの方々に感謝し御礼申し上げます。

昨年は前半2戦で4本中3本の40upを持込み、AOY争いで予想外のトップを走りながらその後は大失速。最終戦にて44cm差でブッチ切られて散りました。
真夏の第3戦、西浦・土浦大会での、デカバスに的を絞った挙句のノーフィッシュが響きました。
カスタンの楽しみ方は色々で、AOY争いなんて自分には無関係と思っていましたが、実際逃してみると大変悔しく、またその興奮とスリルにすっかりハマってしまいました。
迎えた今年は全戦リミット達成を目標に掲げ、サイズよりも毎戦2本のバスをひたすら積むことにしました。 少々地味な釣果ですが、そんな私の参戦記を披露してみます。

第1戦 4月17日 北浦全域
春の北浦は気難しく、いつも厳しい釣りを強いられます。実際にウエイインも少ないです。
好きな・手堅いエリアはいくつかありますが、そうそう上手くはいきません。
今の北浦で最も実績・人気が高いのはマリーナ下から水原までのストレッチと思います。私のバスフィッシングは「バスがたくさんいて人がいないところで釣る」が基本ですので、当日は混み合う朝一の時間帯を避け、 昼直前に入ることにして他のマイポイントを回りました。
メインリグはレアリスシャッドとダウンショット。
最初に入ったのは鹿行大橋近くの、無名ながら大好きな新護岸ポイント。 ダウンショットを足元に落として誘いましたがノーフィッシュ。次にすぐ隣の、プロも試合で探るメジャーな護岸と水門をさぐると、待望の今期1本目、34cmをダウンショットワッキーでキャッチできました。
その後あちこちを移動しながらもノーバイト。11時を過ぎたのを見計らっていよいよマリーナ下へ移動です。常にバサーの多いこのエリアも、さすがにお昼近くになると空き始めます。 プレッシャーが抜け、足元の護岸下に留まったリリースバスが口を使いだす頃合なので、それを狙うのです。 実際、足元の護岸際にダウンショットを落としてから数分としないうちに1本キャッチ。37cm、これでリミット計71cmのミッションクリアでした。

第2戦 6月5日 鰐川・外浪逆浦・常陸利根川 ※前川は除外
毎年、型・数ともに賑わう楽しい大会。直近のプラで釣れたポイントは、確実にまたバスが釣れます。※バス資源保護のため、釣れたらすぐにその場でリリースしましょう。
今回も、有名な常陸利根川・高浜のテトラ帯を含む護岸一帯は後にまわし、外浪逆浦の漁港の外壁や小場所の護岸下から探り始めました。
メインリグはダウンショットと1/8オフセットジグヘッドにテナガホッグ。これで丁寧にボトムの起伏をなぞってバスを拾います。
まず漁港の船道提外側のゴロタで小バス、そこから少し下った垂直護岸足元で38cmと、早々にリミットメイク。でも、もう少しサイズがほしいので、ちょっと早い気もしましたが9時に高浜に移動しました。
到着してみると、誰もいません。へら師もコイ師もいない無人の護岸でした。
早速係留台船近くから上流の水門までの護岸下を往復して探ったところ、最大42cmを含む3本をキャッチ。大会中にこんなに釣れたのは初めてで、しかも40upも混じり嬉しい結果となりました。

第3戦 8月7日 大山下から北利根橋までの本湖と関連水路、小野川、新利根川
灼熱の水路戦。過去の大会では、多くの方がリミットメイクや数釣りをするなかで、自分は小バス1本と苦渋を舐めたこともあるハードな設定。
今回、水路群は人が多くタイミングによって当たり外れが大きいので一切無視することにし、プラでは隠れたポイントを求めて新利根川の探検を始めました。
そこで目に付いたのは比較的新しいブロックで造成された土手でした。全部で6箇所あります。ブロックの目に土砂がまだ詰まりきっていないぶんエビやゴリ類が着きやすく、それを狙ったバスが拾えて手応え充分です。 味気ない景観のせいか先行するボーター、フローター、各種岸釣り師もスルーしていて、ちょっとした穴場でした。
やがて夏が進むにつれて新利根川の水が汚れてきました。釣れるバスも小型化してきたので見切りをつけ、小野川を開拓し始めて最終的にひとつの揚水門を割り出しました。
夏なので、機場が稼動し水の動きをつくっていれば文句無しです。とは言え、誰にも先行されず自由に打てるかは何の保証もありませんでしたが。
本番当日朝は快晴猛暑に無風。一番に向かった新利根川はやはり水が汚れていて重く、6箇所まわって小バス1本のみと実に渋い状況でした。たまらず8時前には小野川水門に移動を決断。先行者がいたら、機場が止まっていたら、即新利根川に戻るつもりでしたが、幸運にも無人で機場も稼動していました。 この水門、手前は見た目より水深があり、左右には杭群があります。さらに沖にも杭群があってその周りはゴロタ石と、なかなかにゴージャス。この日は正面から適度な風が吹く心地よさもあり、移動せずに腰を据えて、コースを変えリグを変えワームを変え、じっくりとボトムを攻めました。メインリグはクロー系ワームのジカリグと1/8オフセットジグヘッドにテナガホッグ、そしてダウンショットです。
結果、ここで4本のバスをキャッチ。うち39cmと38cmを持込みました。
本湖水門まわりでは50upも出た大釣りの大会でしたが、私は小バスに終わらずいいサイズで苦手な真夏を乗り切れて大満足でした。

最終戦 10月9日 霞ヶ浦本湖全域 ※実質流入河川無し
エリアを見て絶句。さらにスタート位置からゴール地点までの距離を見て呆然。
ドウヤッテツルノヨ状態。
でも、この時点で自分が年間トップ(差は2位と27cm、3位と54cm、4位と55cm)であることを知り俄然やる気が出ました。
問題はこの広大なエリアをどう釣るか、そのためにどう移動するか。
週一回のプラは全て和田岬から出発しました。地図とグーグルアースを頼りにルート設定をし、実走して走行時間を計り、検証してまたルート設定する、を繰り返しました。
それが必要なくらい広く遠いのです。
和田からゴールの東浦・高浜までは、本湖の左右どちらからまわっても幾つもポイントがあります。印象は、前戦で爆発した西浦の各水門はただの淀みと化して死んでおり、対面の沖宿~崎浜間は水が濁っていてイマイチ。麻生方面も滞留していてパッとしません。 魚影の濃さなら土浦港ですが、人も濃いので完全無視。東浦は水が良く、釣れはしましたが1本がやっとで散発的です。
最終的にメインを東浦のとある水門と杭群に設定。へら師、コイ師、ワカサギ師が完全スルーなのが決め手でした。 スタート直後に北利根橋近くのドックまわりをさっとチェックしたら、最短ルートで一気に東浦まで進み、早期勝負で2本釣り切り狙いです。
前日は、不慮の遅刻を恐れて和田で車中泊しました。この夜半、予期せぬ南からの爆風に遭遇。ああ、これで風表面は全滅だなと悟り、東浦行きへの決意がかたまりました。
そして朝。幾分風が弱まるも、落ちてきた雨と虹を仰いでのスタート。
向かったドックでは外壁上から石積み・沈船周りを狙いましたが、風で波立ち底荒れがひどく、反応も無いのですぐに見切りをつけ東浦を目指しました。
目的の水門は風裏で波穏やかでしたが、一般の先行者3人のグループがいました。両サイドから挟んで一帯を打っていましたが、釣れている様子ではありません。私は1/8オフセットジグヘッドにテナガホッグを組んで、少し距離を置いた杭から探り始めました。 足元が危ういので注意してゆっくりとフリッピング、ピッチングを繰り返します。晴れていても滑る石積みなのに、本降りの雨でしたから幾度となく転びました。あまりお勧めできるポイントではないですね。
打っても打ってもなかなかバイトを得られません。先行者も釣れないのを不思議がっています。後で思えばこのとき誰も釣れなかったことが幸いしました。私を含めもし誰かが釣っていたら、そこを大人数でしばらくシェアすることになったでしょう。そうなれば2本のリミットは困難だったと思います。 わりとすぐに3人は去りました。こうなれば水門に近づいて打つのみ。
そして待望のヒット。掛けたら一気にごぼう抜きで、やり取りする間もなく瞬時にランディング。初めは34cm、次に31cmをキャッチ。ついに大目標だった全戦リミットメイクを達成。武江さんに記念写真を撮っていただきました。
その後、移動を繰り返すも、入れ替えはできずに終了時刻を迎えました。2本合計65cm。やや少ないですが、やり切った感があり、もう充分。
13時すぎ、帰着場所へ向けて湖岸道を走ります。園部川そばのドックから平山の水没したドック、大規模機場の前を駆け抜け、恋瀬川河口手前のコーナーを曲がった先に会場のグリーンの屋根が見えたときは嬉しかったですね。 春の気難しい北浦も、初夏の叩きあいの外浪逆浦・常陸利根も、猛暑の新利根・小野川も、雨でタフな霞本湖も走り切った半年間のゴールでしたので。

【最終結果】
私は合計293cmで逃げ切り、AOYを獲得しました。全8本中40upは1本のみ、最小は31cmでしたので、ひたすらカスミ・レギュラーサイズを積んだ結果でした。
追いかけてくる方々の釣果を聞くと、私は今回もしノーフィッシュだったら、AOYどころか3位すら危うかった。そしてそれは充分にあり得るコンディションでした。本当にカスタンのメンバーはコワ~イです。

~後書き~
最終戦の翌日からしばらくはカスタンロスに襲われました。バスフィッシングの目的を見失い、なんのために釣るのか?と、ポカンとした状態になりました。
今は来春のカスタンが待ち遠しいです。それまでに新たな目標を探しておこうと思います。
皆様、また楽しく釣り合いましょう。そのときはよろしくお願いします。

大﨑 交規